最先端研究開発支援プログラム

今、巷で噂?の最先端研究開発支援プログラムだが、
採択課題一覧を見てみると

  • 実績は十分。これ以上お金をもらっても使い道があるの?
  • 実績は多くないが、なぜかいつもお金が当たる人(これ以上書くと身の危険もありそうなのでここまで)

という課題が多い印象を受ける。


政府主導の大型プロジェクトは突然決まり、大きな金額を急遽消化しなければならないので問題はよく起こる。
ここスイスでもSystems biologyを推進するためのプロジェクトSystemsXが政府主導で開始されたが急遽決まったため、人事も進まず新聞上でも色々と物議を起こしたらしい。(Basel在住の先輩の話)


今回の最先端研究開発支援プログラムでも採択課題の代表者から予算をなんでもいいから出してくれ、と連絡がきた人がいると言う「噂」もある。(ソース有りだが、あくまでも「噂」にしておこう)


こんな、バラマキをやる位ならば、今回の2700億を使って

  • tenure track制度の拡充

 今行われている制度の場合、期限が切れたら業績の有無に関わらず、ポジションが無くなる。 これでは"track"とは言えない。

  • 基盤(B)辺りの採択率を上げる
  • (大型機械を管理できるプロの技官)の人件費を作る

研究をより効率よく進めるためにも必須であろう

  • 現在の事務制度、様々な書式を簡略化するための棚卸

海外出張の旅費の手続きのために合計10頁近くの書類を毎回作らなければならないのはあまりにも、無駄が多い。その他にもこの数年の科研費使用の厳格化の為に余計な書式やら手続きがどんどん増えている。結果、無駄な事務作業が増えて研究の効率が落ちてしまってるのは言うまでも無い。

  • 万年助手の早期退職制度

助教」では無く「助手」としてoutputを出さずに居座っている人に、
速やかに退場いただき、新しい人を採用出来るようにするため。

などにお金を回して欲しい


また、Natureの記事
でもこんな事をかかれている。

This is a huge amount of money. The package is likely to boost applied research, but in the interests of Japan's longer-term research fitness, such a sum should be spent extending the life of competitive grants, supplying more of them and creating new, independent tenure-track positions for young researchers at universities.
(Nature, Vol.460, pp151, 9 July 2009)

まあ、要するにShort termのoutcomeばかり考えて、
long termで若い人に投資しないと日本の研究は没落するよ。


民主党に変わって最先端研究開発支援プログラムも見直し対象に入って来ているようなので日本の将来の為にも改善される事を切に望む。

ロハスメディカルの記事でのコメントにあるように、現状のプログラムに反対意見を表明している、参議院議員鈴木寛氏には是非頑張って欲しいと思う。