効率化ってなんだろう?

現在のプロジェクトはちょっとばかり大掛かりでfMRIの実験としては珍しく30人分のデータを集めた(通常は15−20人程度なのだが、今回はindividual differenceを見たいという事情があった)。
fMRIの本データを取りはじめたのが丁度4週間前。30人分のscanが1ヶ月弱で終了。あまりの早さに自分でも驚いた。これが日本で同じプロジェクトを走らせたらscanだけで、3ヶ月以上はかかるだろうなー。


それもこれも、サポートスタッフの充実のおかげ。サポートスタッフのみんなに感謝。


うちのグループには被験者リクルート部隊があってClaudiaという修士課程の学生がアルバイトで管理していて、その下に電話部隊(学部・修士)が4−5名控えてている。彼らがZurich大、ETHの学生5000人からなる被験者プールを管理していて、夕方になると電話をかけまくって実験の参加者を募っている。通常のEconomicsの実験だと1回のsessionで同時に36人集めるなければならないので結構大変なんだが、リクルート部隊が優秀なので2週間もあれば集めてくれるという状況だ。自分のMRIの実験なんかだと1回のsessionに1人しか要らないので(スキャナに2人同時に入ってもらうわけにはいかないし)、"pretty easy to find a subject"と言われた(ちなみにClaudiaは時給35フラン=3000円ちょっと、もらっているらしい)。


こちらの仕事は

  • MRI facilityのmanagerにscan slotの予約を入れる
  • 実験の開始時間の一覧をClaudiaに送る

これだけで、被験者さんは実験日にMRI施設にきてくれて、あとはこちらでデータを取るだけの状態になっているので、実験の効率はむちゃくちゃ良い。




ここからが、今日の本題で、、(前フリ長すぎ)


日本でよく言われている「効率化」だと効率化=人員削減となっていて、確かに使うお金は減っているが仕事の効率はあまり上がっていない。むしろ、一人一人の負担が過重になっていて、最終的なアウトプットの総量も落ちてるのでは?と思うことがある。
作業のプロセスを見直すことなく、一律に人員を減らすだけの「効率化」ってのは口ばっかりのコンサル達があぶく銭を稼ぐためだけの方便に過ぎないと思う。


あっちこっちに書かれているのかもしれないが、「効率化」を追求するためには、

  • 作業工程を常に見直すこと
  • 適切な分業

が絶対必要だという確信を改めて持った。
こちらの会議だとprocessの削ぎ落としが議題にあがることがしばしばある。


でも、これってどちらも日本の大学では絶望的なんですよねー(笑)。